大人になっても男性心理に大きな影響を与える、息子とお父さんの関係③
エディプスコンプレックスについて、お話しています
→大人になっても男性心理に大きな影響を与える、息子とお父さんの関係①
→大人になっても男性心理に大きな影響を与える、息子とお父さんの関係②
今回は、このエディプスコンプレックスが、大人になっても男性心理に影響を与えている場合のお話をしたいと思います。
前回お話したように、エディプスコンプレックスを幼少期に持っていること自体は問題ではありません。
お父さんへの怖れがもとになって、社会のルールや道徳を学んだり、または男らしくなっていこうとすると考えられています。
そして、いずれ成熟していくと、お父さんと息子は大人の男同士の関係に発展していきます。
ところが、大人になってもエディプスコンプレックスを抱えたままであると、問題が生じやすくなってしまいます。
ちなみに、大人になってもエディプスコンプレックスを抱えたままとはどういうことかというと・・・。
1つは、心の中で、お父さんが敵のままになっており、お父さんに対する怖れや嫌悪感などの葛藤が消化できていない状態といえます。
あるいは、お父さんが敵でもなく味方でもなく、不在になっている状態。
この不在というのは、実際に母子家庭やお父さんが仕事ばかりであまり家にいないというケースも含めて、心の中に父親の存在がない、という感覚を指します。
こういう場合に問題化してくるケースで、今回は仕事に関して多いパターンを紹介します。
◆エディプスコンプレックスを抱えたままでいると、仕事上どういうことが起こりやすいのか。
まずは、
(1)心の中でお父さんが敵のままという場合
心の中で、お父さんが敵のままという場合も、さらに2通りに分けられるかと思います。
①父親が威圧的だったり攻撃的だったりして、父親に対する怖れが強く心に残っているケース。
父親と社会、父親と仕事、父親と上司・・・などは感覚的に密接なイメージを持ちやすいですから、父親に対して怖れを持っていると、同じように社会や仕事、上司に対しても怖れを持ちやすくなります。
さらに、父親に抑え付けられてきた自分に対して『弱い自分』というイメージを持つことにもなりやすいです。
これは、自分自身に対して無力感を持ちやすかったり、自信のなさにつながってしまいます。
そうすると、社会に対してものすごい厳しさを感じたり、仕事に対して自信が持てなかったり、上司に対して怖れを持ちやすい、といことになります。
これでは、仕事の時にいつも緊張感を抱えて、毎日へとへとに疲れてしまったり、上司に対して逃げ腰になってしまうのは当然なのです。
すると、周りからの印象もオドオドした人とか、もっとしっかりしろという印象を持たれかねません。
または逆に、怖れを隠そうとして不自然に反抗的な態度ばかり取ってしまうこともあるでしょう。
この状態でずっと社会で生きていくのは、本当にしんどいですね・・・。
②2つ目は、お父さんが仕事をしない、お酒ばかり飲んで酔っ払っているなど、いわゆるお父さんが『ダメ親父』のケース。
これは、父親に対する嫌悪感が強くなりやすいのです。
すると、お父さんみたいになりたくないとういう強い抵抗感から、ハードワークをしたり、仕事で完璧を目指そうとしたりします。
そして、父親をバカにしている分、会社の人に対してもついつい高飛車な態度になっていたり、どこか見下してしまいがちです。
または、ダメ親父に甘えたり頼ったりするなんていうことはできませんから、同じように仕事で誰かに頼ったり、お願いしたりすることが難しくなり、一人で全部抱え込んだり、仕事で自分に厳しすぎるということになりやすいのです。
ちなみに、父親に頼ったりできないというのは、1つ目の父親が怖い場合も然りですね。怖くて近づけなくなってしまうのです。
以上が、心の中でお父さんが敵のままというときに起こりやすい、仕事に関する問題の代表的なパターンです。
それでは、次回は
(2)お父さんが心の中に不在という場合。
をお話しますね。